ツッコミどころ満載の母乳指導
母乳育児を頑張っているママさんから、「2か月健診に行ったら母乳育児に自信をなくした」とご相談を受けました。2か月健診で医師に言われた授乳のアドバイス内容を聞いてびっくり。理解不明でツッコミどころが満載。
赤ちゃんはとってもかわいい女の子。
☆生まれた時の体重 3052g
☆1カ月の体重 3840g
☆2か月の体重 4710g
このママは、一生懸命に母乳育児を頑張っています。愛を込めて、丁寧に頑張っています。悩んだり、不安になりながらも母乳育児を頑張ってきた2か月間。24時間いつもすぐそばにいて、慈しみ、抱っこして育ててきた2か月間。
そして、迎えた2か月健診※で小児科医に言われたことは…。
「母乳を飲ませていると将来骨粗鬆症になるから、ミルクを追加するように」
「母乳で育てるとビタミン不足でくる病になるから、ミルクを追加したほうがよい」
「母乳で育てていると生理が戻りにくくホルモン異常になるから、ミルクを追加したほうがよい」
「母乳だけだとおなかがいっぱいにならなず赤ちゃんがひもじい思いをしてかわいそうだから、ミルクを追加したほうがよい」
「母乳だけの子は離乳食の進みが遅いから、ミルクを追加したほうがよい」
「先進国はミルクを使っているからミルクを追加したほうがよい」
「お母さんが、そうとう食事の栄養に気を付けないとまともな母乳は出ないから、ミルクを追加したほうがよい」…などなど。
よくもま~あ、ここまでママのモチベーションを低下して「ミルクを飲ませたほうがよい」と勧めてくれたものだなあ…と悲しくなってきます。これらはすべて、適切ではない情報です。
母乳が足りているかを考える目安として
◆生後6カ月までの1日の体重増加は、18~30g(1週間で125g以上)
※母乳不足と考えるのは、生後6カ月になるまでは、1か月の体重増加が500g以下。あるいは生後2週間過ぎても出生体重に戻らない場合(WHO/UNICEFによる)
とされています。つまりこの女の子の発育は順調で、母乳は不足していません。とても順調な経過です。順調に育っているケースなのに、小児科医はなぜ不安にさせることを話すのだろうかと、悲しい限り。残念ながら、このような母乳育児に理解がない小児科医も少なくありません。
人間のいのちは哺乳動物として母乳を飲ませながら脈々とつながってきました。粉ミルクという商品が使われるようになったのは、まだたかだか60数年前のこと。医師が母乳育児より粉ミルクを推奨するということに、哺乳類としての偉大な力に物申す畏れ多さを感じてしまうのです。
粉ミルクが使われはじめるずっとずっとはるか太古の昔から、生まれてすぐ母乳を飲み、母乳だけを飲んで育ち、今の私たちに命がつながれている…。歴史上では、ミルクの普及とともにこのような社会問題も起こりました。哺乳類だけに与えられた「母乳育児」には、医学や知識では計り知れない奥深さがある、そんな畏敬の念を忘れないようにしたい、そう思っています。
(※2か月健診は、出産施設によっては勧められることがありますが、必須の健診ではありません。必須なのは、1か月・3~4か月・1歳半・3歳健診です)
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