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2014年10月11日 (土)

授乳中のたばこ

20~50代全女性の喫煙率は9%。女性の10人に1人が喫煙者です。中には妊娠しても禁煙できず、吸い続ける妊婦さんもいます。

妊娠中・授乳中の「たばこ」がよくないことは周知の事実。「なぜ」よくないのか。

妊娠中は羊水の中で育つので、ニコチンが羊水に入ったら24時間ずっとそのまま。おしっこやウンチで胎外に排出することができません。よって血液循環が悪くなり、低体重で生まれる子が多くなります。また早期破水や胎盤早期剥離や前期胎盤が増えます。つまり、大きく育つことができず、かつ自然な安産で生まれることが難しくなるということです。

そして、妊娠中にママがたばこを吸っていた場合、生まれた後もリスクがついてきます。「乳児突然死症候群(SIDS)」の確率がぐっと増えます。SIDSは、生後3カ月頃に何の前触れもなく赤ちゃんの呼吸が止まって死んでしまう病気。この恐ろしい病気のリスクが5倍以上に増えるのです。

妊娠中にたばこを吸っていて良いことはひとつもありません。妊娠が分かったらすぐにやめたほうがいい。せめて、つわりが始まったらすぐに…。しかし「そんなことは百も承知だけれど、どうしてもやめられない」妊婦さんもいるのが現状です。

妊娠中にたばこを吸っていたママは、出産後に「たばこを吸い続けたいから母乳は飲ませない」と考える方がほとんど。妊娠中はなにひとつ良いことはないたばこ。でも実は、産後は少し状況が変わります。

ママがたばこを吸うという理由で「母乳をやめたケース」と「続けたケース」を比べると、「母乳をやめたケース」の方が、気管支炎や上気動炎のリスクが高くなるのです。母乳をやめることで、呼吸器系疾患のリスクが3~8倍に上昇することが分かってきました。

アメリカ小児科学会は、「ニコチン(喫煙)は母乳育児に禁忌ではない」と発表しています。たとえ喫煙していても母乳育児を続ける方が、ミルクで育てるより恩恵が大きいということが理由です。

母乳の中には多種類の感染防御因子(赤ちゃんを感染症から守る細胞など)が含まれています。母乳をやめてしまうと、赤ちゃんはこの免疫をもらうことができません。この免疫物質は、ニコチンのリスクとは比べ物にならないくらい素晴らしいものなのです。

そして「おっぱいを吸う」ことは、赤ちゃんにとっての権利のひとつでもあります。ママのおっぱいに触れて安心したい、温かくてやわらかいおっぱいを吸いたい、という思いは赤ちゃんの本能。

もちろん、たばこを吸っているママの母乳は、吸っていない母乳に比べたら質は劣ります。さらには分泌量も低下します。たばこを吸わない方が赤ちゃんに良いのは当たり前。でも、「たばこを吸いたいから母乳は飲ませない」のではなく、「禁煙できないならせめて母乳で」と考えたほうがよいようです。

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