知的障がい児を育てるということ
先日、知的障がい児を育てるママたちにいのちのお話をさせていただき、知的障がい児を妊娠し、生み育てることをあらあためて考えています。
ダウン症など胎児の染色体の異常が高精度で分かる血液検査が受けられるようになり、1年がたちました。
この検査を受けて、苦しみ悩み続けた挙句に、腹を据えて「ダウン症の子を育てよう」と気持ちの整理をつけるご両親もいれば、「ダウン症だったら中絶する」妊婦さんも少なくありません。この検査を受けた妊婦さんは1年で7800人。検査後に病気が確定した54人中53人が中絶を選択しているのです。
日本での現状として、羊水検査前のカウンセリング時間が短く、出生後にどのように育てられるというお話よりも、ダウン症や染色体異常についてなど医学的な説明がほとんどのようです。また小児科医や助産師が立ち会おうとしても、「生むように説得されそうで不安」と立ち会いを拒否されることすらあると聞きます。羊水検査を受ける時点で覚悟を決めているということでしょうか。
私自身、ダウン症の疑いで中絶を迷っているという相談を受けることがあります。このようなご相談を受けたとき本気で悩みます。それはこんなことを思うからです。
「ママを選んで生まれてくるんだって」「育てられる親のもとに来てくれるっていうよ」…と心から思う。
でも、その一方で、
健常児の育児でも不安で産後うつになるママが増えている。夫や親の支援が受けられず、孤独に育児をしているママが多い。子どもが泣けば虐待を疑われ、かんしゃくを起こせば「しつけができていない」と叱られる…。小学生や中学生になったらいじめもある。それは子どもだけではなく大人社会にも。特に知的障がい児を育ている場合、よくわからないからこそ不安でいっぱいになるだろう。
子どもを育てることが不安な社会。2013年の合計特殊出生率(一人の女性が一生の間に生む子供の数)は、1.41。一人しか生まない女性が多い。一人しか生まないならなおさら、知的障がい児の育児は不安になるのは当たり前。
…そんなことを思っていたとき、助産師学校の友人がこんな動画を紹介してくれました。
「ダウン症の子どもを妊娠したママからの手紙」という動画です。羊水検査で迷っている妊婦さんにぜひ見てほしい。いのちの原点に返るようで、涙が止まりませんでした。
支え合える社会になってほしい。身体障がい者も知的障がい者も、大人も、高齢者も子どもも。いろんな人たちが、チームのように支え合える社会になってほしい。そのために私たちに何ができる?今、私は何から始められる?
理解したい。理解しようとしたい。どんな相手でも相手の状況や気持ちを想像して、理解できるように努力したい。まずは、そんなことを心がけてみたい。そう思っています。
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