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2012年10月26日 (金)

いのちの授業の感想文(潮止中)

10月26日に、潮止中学校で「いのちの授業(誕生学)」を届けさせていただきました。

潮止中学校では、1学年の生徒さんが36人。小人数の学校です。

毎回思うのですが、同じ中学3年生でも反応は様々。学校によっての特徴もあるし、クラスの特徴もある。このお年頃はお友達から受ける影響力が大きい時期。自分らしさを大切にできるお友達とたくさん出会ってほしいな、と願いつつお話ししています。

「いのちの授業(誕生学)」では、いのちの持つロマンティックな力をお伝えしています。いのちの始まりから、どのようにおなかの中で育ったのか、そして生まれるときに発揮したすごい力。なにより全員に「愛された歴史」があり、たくさん愛された「家族の宝物」だということ。

2005年の調査では、中学生1~3年生の約5%(中3女子は9.5%)が性行動を開始しています。思春期になり異性を好きになって興味を持つのは当然のこと。でも「いのちを授かるのはとても大切なことだから真剣に考えてほしい」というメッセージは、助産師としてだけではなく、娘を持つ母親としても毎回本気で伝えています。

(お写真は、おなかの中で母親の声をどう聞いていたか、耳をふさいでいるところ)

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毎回、きちんと伝わっているかな、感じてくれたかな…と私自身ドキドキ。それぞれの15歳の心で「何か」を感じてくれたら嬉しいです。

そんな授業のあとに、生徒さんの書いてくれた感想文の一部です。

「今日の話をきいて、生まれて嫌がられることは絶対になく、喜ばれて大切にされているんだと改めて思いました。命や体を大切にしたい」(女子)

「将来にかかわることかもしれないので、すごくためになる話ばかりでした。命の大切さが改めて本当によくわかったし、私はいろんな人に愛情をもらってここまで育つことができたのだと思いました」(女子)

「レディーファーストが必要だと思った。母の日が年に4回あってもいいよ」(男子)

「赤ちゃんを抱いて、思ったより重くてあたたかかった」(男子)

「話をきいて、心の中の何かが変わった。でも今は、それが何なのかは分からない。初めて聞いた言葉がいっぱいあった。直井先生がお話をしているとき、とても心がこもっていて感動した。最後に私達に『ありがとう』と言っていたけれど、こちらこそ『ありがとうございます』と言いたい」(女子)

「今までは何気なく一日を過ごしていたけれど、これからは毎日を大切に生きていきたい。もし、自分が大人になって子供ができるとなったら、とてもうれしいだろうと思った」(男子)

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授業の最後は、本物の妊婦さんや赤ちゃんがスペシャルゲストとして登場です。一番小さい赤ちゃんは、まだ生まれて1ヶ月半。「ちっちゃ~い」

ぶるぶる震えながら妊婦さんのおなかに触れた女の子もいて、ピュアな感性に感動します。生徒さんたち、「いのち」を感じてくれたかな?

ご協力くださったママたち、ありがとうございました。

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授業には、市議会議員さんがお越しになり、あさだ議員さんのブログでも「いのちの授業(誕生学)」をご紹介くださっています。

尚、お写真の掲載は瀧田校長先生のご許可をいただきました。瀧田先生のお母さまも助産師だそうです。先生ご自身の受験勉強中にも、ご自宅の助産院から産声が聞こえてきたことが日常茶飯事だったとか。ご縁に心から感謝です。

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2012年10月25日 (木)

「あのね、ママ」

最近、涙腺がもろい私。

あるコラムを読み、あわや電車の中で号泣するところでした。

それは、育児中のママが書いた「あのね、ママ」というコラムです。

★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜

「あのね、ママ」

あの頃、初めての赤ちゃんに無我夢中だった。

ろくに眠らず、夜泣きもひどかった娘。

へとへとに疲れはてて、抱っこでゆすりながら、

「あんたはママを苦しめたいの?本当にひどい子だね」と悪態をついたこともある。

だって、赤ん坊の気持ちなんて全然わからない。母親の自信なんてみじんもない。ただただ、もがく日々。

あれから数年がたち、娘は5歳になった。

「あのね、ママ」

「なあに」

「あたしね、あのね。ママのこと、すきだよ。うまれたときからずっと、だいすきだよ」

あの頃の私が一番聞きたかった言葉を、ようやく聞くことができた。台所で思い切り泣いた。

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2012年10月15日 (月)

いのちの授業の感想文(大原中)

大原中学校にて「いのちの授業(誕生学)」を届けさせていただきました。

3年生6クラス240人の生徒さんたち。真剣に聴いてくれた子、恥ずかしそうにしていた子、元気いっぱいの子、それぞれの心で「いのち」「家族の愛」を感じてくれたらうれしいです。6回の授業のうち3回はテレビカメラが取材に入ったため、緊張していた生徒さんも多かったかもしれません。

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「いのちの授業(誕生学)」は、性器の名称や妊娠の仕組みを説明する授業ではありません。生徒さん自身の「いのちの力」をお伝えします。おなかの中にいるときにどんなことを頑張って育ったのか、生まれるときに発揮した力について、そして、誰もが「家族や周りの人たちに愛された歴史の持ち主」であること…。

授業のあとに生徒さんが書いてくれた、ピュアな感想の一部をご紹介します。


「一人一人の命が本当に大切なものだということ。必要のない命などないと思いました。赤ちゃんを抱いたとき、とてもあたたかくてお母さんの愛を感じました。私もあんな風に育てられたのだと思うと、とてもうれしかったです」(女子)

「授業の前は、誰かが人に暴言を言っても笑って流すだけでした。でも授業のあとは、暴言を言われた人の両親の気持ちを考えると、自分の子供がそんなことを言われるのは嫌だろうと思いました」(男子)

「以前は、自分自身がつらくなった時や苦しくなった時、死にたくなったことがありました。自分はだれにも必要とされていないんだと思ったことがありました。けれど今回の話を聴いて、自分は○○家の宝物であり、大切に育てられてきたんだと思いました。この大切な命をしっかり守って生きていこうと思います」(女子)

「こうやってみんなが一緒にいることが当たり前だったけれど、みんなといることがすごいことだと思った」(男子)

「今まで両親に大切に愛されて育ってきていても、自分自身や他人を大事にできなくなってしまうことがありました。でも今日の講義を聴いて、本当に考えが変わりました。この講義を受けることができてよかった」(男子)

「話をきく前は、、なんだか恥ずかしい内容だと思っていました。でも、全然違っていました。命を深く考えさせられました」(女子)

「これからは、あんまりママとケンカしないようにしたい」(女子)

「とても良い日でした。こんなふうに命について学べたことが嬉しいので、もっと自分の体を大切にしたい」(女子)

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15歳のピュアな感性に、毎回感動します。

10月19日は潮止中学校にて、10月26日は八潮中にて、「いのちの授業(誕生学)」の予定です。ご家族のご参観もお待ちしています。家族で「愛した歴史」「愛された歴史」をお話しするきっかけになればうれしいです。

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生徒さんたち、どうもありがとう。尚、お写真は、校長先生の許可をいただいて掲載しました。

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2012年10月 9日 (火)

人生で一番つらいとき

三砂ちづるさんの著書「タッチハンガー」の中で、「人生で一番つらいとき」という章がありました。

なんだか吸い込まれるように読んでいると、それは「現在」のつらさを指した内容ではありませんでした。「赤ちゃんの気持ち」を代弁しているかのような内容の一部をご紹介します。

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大変な毎日を過ごしておられる方も多いでしょう。今が人生で一番つらい時だなと思うような時間を過ごしておられる方もあるかもしれない。そういう方もあるだろうに何をいまさらを思われるかもしれませんが、人生、幼い時ほどつらいのではないかと思います。

(中略)

社会人になったら、本当にいやなことはやらなくてもよくなりました。そんなバカな、社会人になったらつらくても耐えなければいけないことは多いし、勝手なことは言ってられないし、やりたくないこともやらなければならないのだとおっしゃる方もあるかもしれない。

でも社会人になったあなたは、理不尽なことに抵抗するやり方は、できるできないは別にして知ってはいるし、お金のためと思えば我慢の仕方も工夫できるし、最後には「やめる」という手段もあります。家族関係で、お金のことで、大変かもしれない。でもそれを大変と認識できるほどにはすでに大人なのです。

人生は、年を重ねるほどにラクになる。大人になるほど、責任も増えるけれど裁量の幅も増える。少しずつ自らを知り他人を知り世界を知ることは楽しいこと…ということを若い人に伝えたい。

そう思えば、人生で一番大変なのは生まれてきたばかりのころなのです。赤ん坊のあなたは何もかも分かっているというのに、周囲はあなたのことなど何も理解しようとしない。みんな、あなたは何も分かっていないと思っているし、見えていないと思っているし、聞こえていないと思っている。

産道を通ってきて、ああ大変だったと思っているのに、煌煌たるライトにあてられ、知らない人に引っ張り出され、鼻を管で吸われ、苦しくてぎゃあぎゃあ泣いてしまいます。お母さんのにおいのするところにいたいのに、お母さんから離されて、一人のベッドに入れられます。お母さんのおっぱいがいいのに、ゴムの乳首をくわえさせられます。

どうせ赤ちゃんだから分からないわよ、と周囲は思う。あなたは抵抗できず表現できない。なんてもどかしいのでしょう。人生で一番大変なのは、やはり幼い時、赤ちゃんのころなのだと思います。

私たちは本当に幼いころのことは覚えていない。幼いころ、自分の意思を通じさせることができないことがどんないつらいか、私たちは忘れてしまいます。覚えていかなくてはならないことがたくさんあるから。でも、とてもつらい時期なんだと思えば、赤ちゃんにどのように接すればいいのかおのずと決まってくるように思います。

幼い人にほど丁寧に接していたい。ゆったりした気持ちで、優しい手でそっと触れていたい。穏やかな声で語りかけていたい。しっかり抱きしめて、あなたのことを分かっているよ、と言ってあげたい。大丈夫大丈夫、と語りかけてやりたい。

言葉で説明できないってつらいよね、言葉で説明できないから泣きたくなるんだよね、と泣いている子に寄り添ってあげたい。言葉が話せるようになった子の話は、ないがしろにしないで丁寧に聞いてあげよう。たくさんたくさんの思いが、一言に込められているはずだから。

「タッチハンガー」三砂ちづる著 P208~より一部引用

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一字一字、本を見ながらブログに転記していたら涙が止まらなくなってしまいました。

こんなことを思い出したから…。

先日、「寝かせてすぐに寝ついてくれないと大変になるから、毎日言い聞かせて『しつけ』をしたら寝るようになりました。諦めて一人で寝てくれるので、ラクです」と、自身の育児を誇るように話していた生後2か月のママと出会い、伝える表現を見つけられなかったことを。

また、「飲み会に行きたいし、乱れた食生活を変えたくないし、ストレスを感じたくないので、母乳を吸わせるのはイヤです」と強く切望するママとの関わり方に戸惑い、結局なにも意見が言えなかったことを。

そして、私自身の育児を振り返り、わが子の気持ちより自身の気持ちが優先してしまうことがあった、当時の余裕のなかった自分自身のことを…。

大人は、思いを言葉にして表現することができる。「早く眠ってほしい」「泣かないでほしい」「たまには休みたい」「ひとりになりたい」「ストレス解消したい」と。

でも、赤ちゃんはただ泣くしか表現できない。「そばにいてほしい」「抱っこでつつみこんでほしい」「母乳が出なくてもいいから、あたたかくてやわらかい乳首にふれていたい」…。もしかしたらそう表現したいのかもしれない。

言葉にならない泣き声は、なにを表現しようとしているのだろう…。赤ちゃんの気持ちを一緒に考えながら寄り添える助産師でありたい、そう思う。

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2012年10月 4日 (木)

医療者のことば

Mちゃんのママから、切なくなるお電話がかかってきました。

Mちゃんは、生後25日で1ヶ月健診を受けました。

ママは「母乳で育てたい」と熱心に取り組み、退院直後はにじむ程度だった母乳が今では噴水のようによく出ます。Mちゃんは、生まれてしばらく黄疸が続いていて、生後2週間ほどは体重の伸びが少なめでした。

でも、母乳はよく出ているし、Mちゃんは顎の力もあり上手に飲めるし、「ゆっくり増えていく子だろうね」とママと話していて、私はなにも心配していませんでした。

しかし、1ヶ月健診を受けたあと、こんなお電話がありました。

小児科医に「この子は栄養を与えられていない。親としてどうなの?」「2週間後にもう1回来て。来なければ児童相談所に連絡することもあるから」と言われたそうです。

1ヶ月健診の体重増加が少ないかは、「1日あたりの体重増加」で判断するのが一般的です。退院(もしくは生理的体重減少で体重が最も減った日)から1ヶ月健診までの体重を日割り計算し、25g~30g増えてたらOK。Mちゃんは25gの増加です。

よく、「1ヶ月健診で1kgの増加」と言われますが、これは「おおよそ1日あたり30gぐらい増えたら1ヶ月で1kgくらい」という考えに基づいています。「1kg増えなければ異常」ではありません。

大切に大切にかわいいわが子を育ててきて、健診でお医者さんにこのように言われると本当に自信をなくしてしまう。過去に出会った方で、「この子は低栄養」「こんな枯れたおっぱいではかわいそう」「母乳育児はママのエゴ」と言われた方もいらっしゃいました。

「体重増加が少ない」=「母乳が出ていない」とは限りません。そして、母乳不足かどうかはおっぱいを見ないと判断できないはず。体重だけを見て「母乳が足りない」とは言えないと思うのですが。

体重増加について、IBCLC(国際認定ラクテーションコンサルタント)によると、

生後2カ月までは、1週間で125g、1ヶ月で500g増加していたら母乳が足りていると判断する。体重だけではなく、手足の動きや表情、またおしっこの回数が一日6回以上あるかなどをみて母乳が足りているかを判断する。

とされています。ということは、Mちゃんの状況は決して深刻ではありません。でも「児童相談所に連絡」なんて聞くと、危機的状況に感じてしまいます。

もちろん、小児科を受診するママの中には無知な人もいるだろうし、虐待の早期発見もしなくてはいけない。厳しく言わなくてはいけない医師の立場も理解できる。

ただ、「数字だけではなくて、ママがどんな人かを見て!」と思う。熱心なママなのか、無知なママなのか。育児に一生懸命に取り組んでいるママなら、わが子のことをきちんと見ているのに。それこそ、母乳の回数やウンチだけではなく、ささいな表情の変化や呼吸やお肌やにおいまで。

医療従事者の言葉は、育児に自信がもてるような言葉であってほしい。私も自分の言葉を振り返りつつ、肝に銘じて気をつけたいと思います。

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2012年10月 1日 (月)

産後の月経

「生理が始まったので母乳が止まってしまうのが心配」

「生理が始まったら授乳を止めなくてはいけないと思う」

「産後1年たったのに生理が始まらないから母乳をやめなさいと言われた」・・・

出産後の月経再開と母乳の関連について、心配するママによく会います。特に最近そのようなご相談が続いています。

母乳育児かミルク育児か関係なく全体で見た場合、産後8か月で70~80%の女性に月経が再開するといわれています。

しかし、母乳のみの場合(特に産後6カ月まで完全母乳で、おしゃぶりやミルクを一切与えず、昼も夜もほしがるだけ母乳を与えた授乳の場合)、産後の月経再開までの期間は、平均14.6カ月だそうです(「母乳育児支援スタンダード」医学書院による)。

ということは、産後1年たっても月経が再開しないのはよくあること。

授乳中に月経が再開した場合、初めての月経は無排卵のことが多いようです。でも一般的には月経前に排卵がくるので、授乳中でも妊娠する可能性はあります。「授乳しているから妊娠しない」というのは、昔の女性の話。とはいえ、今でも途上国では授乳期間が長い女性の方が自然に受胎調節している、と考えられています。

最近では、栄養状態がよく若くて健康な女性の場合、授乳中にもかかわらず、1ヶ月健診直後から定期的に月経が再開しているケースも。

そして、これは母乳ケアをしながら感じることですが、出産後初めての月経再開の時にはおっぱいをはじめとする体の不調を感じる方が多い気がします。しこり、白斑、乳首の痛みやキズ。また下痢や胃痛など。月経再開によって体が冷えることが原因なのかな、と私は思っています。

出産後の月経再開によって、「母乳の味がおちる」とか「母乳の栄養がなくなる」というのは俗説です。昔の人は、女性の体を守るためにそのようなことを言ったのかもしれません。

とはいえ、現代女性にとって授乳中の月経再開はふつうのこと。安心して授乳を続けてくださいね。からだが冷えやすくなっているので、温めるなどやさしい生活をお忘れなく。

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