乳腺炎急増中
毎年暑さが厳しくなると、乳腺炎の患者さんが急増します。
暑さのせいで汗をかいて体内の水分バランスが乱れるからなのか、汗をかいて母乳が濃縮するからなのか、私には正確にはわかりません。でも暑さが厳しくなると、乳腺炎の方からの連絡が増えるので、関係はしているのだろうと思っています。
ほとんどの方は、マッサージで「しこり」になった母乳を出し、数日で治ります。この乳腺炎の予防のために、生活の中でできることはいろいろ。
まずはお食事。母乳は「白い血液」なので、血液がドロドロになるようなお食事は母乳がつまりやすくなります。一般的に「あぶらものを控える」と言われます。洋食より和食(洋菓子より和菓子)が、そして冷たいものより温かいものが母乳にやさしい食事です(この季節は厳しいので、せめてぬるいもので)。ただ、あまりストイックになって母乳育児がストレスにならないように、私の食事指導は超アバウトですですが。
そして、よく吸わせること。母乳がたまることでしこりができやすくなるので、循環を良くすることが基本。ただ、母乳が残ったからと毎回搾乳することは、逆に分泌過多によるしこりにつながることもあるので搾乳はお勧めしません。
さらに、体を締め付けないこと。冷やさないこと。よく眠ること。心穏やかに過ごすこと…。
それでも「しこり」ができてしまったら、さらに良く飲ませる。たくさんたくさん飲ませる。そして、葛根湯の内服もお勧め。葛根湯は体を温めて循環を良くしてくれる漢方薬なので、一般的には風邪の初期症状に活躍する漢方薬ですが、乳腺炎にも効果的です。もちろん内服しても母乳に影響はありません。
それでもどうしても「しこり」がなくならない、お熱が出てきた、痛みが強い、赤くなっている…。これらの症状の時は助産師のおっぱいマッサージを受けることをお勧めします。乳腺炎は、病院を受診してお薬をもらえば治る、というものではありません。マッサージで古い母乳をきちんと出しきることが大切です。
そんな乳腺炎。今まで関わった方の中でも記録的に重症の方との出会いがありました。里帰り先でケアを受けていらっしゃったにも関わらず、八潮市に戻って私と出会った時点では手がつけられない状態に。
2日間抗生剤を内服しても変化なく、乳腺外科で切開しました。黄緑色のドロドロの古い母乳が多量に出たあと、悪化を予防するため母乳分泌を減らすお薬を内服することに。初めてのお子さんの母乳育児を、ずっと頑張ってきたママの気持ちを思うと切なくなるけれど、痛みで涙か止まらないほどの程の苦しみから解放するために、たくさん話し合って決めた結果。現在も治療は続いています。
ここまでひどくなるケースは、ごく稀です。
乳腺炎にならないように、まずは予防から。お食事に気をつけ、たくさん吸わせて、体を冷やさず、のんびり過ごす…。気をつけていても乳腺炎になってしまった、そんな時は助産師にご相談くださいね。
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