母乳不足感
「おっぱいが足りないから泣いてばかりいるんです」「母乳が出ない体質なので」・・・
母乳不足を「確信」しているママによく会います。
そのようなママに出会った時に、私は必ず、「母乳が出ていないと考えるのは、どのような症状からですか?」とお聞きします。
すると、「搾ってもほとんど出ない」「飲んですぐに赤ちゃんが泣く」「母乳がポタポタとしたたらない」「おっぱいの張りがない」・・・このような声がほとんど。
実はこのような感覚は、母乳不足とあまり関係ないこともあります。
まず、「搾っても出ない」というのは、単に搾乳する技術が不慣れなだけ、という技術的な理由によることもあります。
次に、「飲んですぐに赤ちゃんが泣く」・・・。飲ませたらすぐにコテッと眠るイメージをもっている方は多いのですが、実はほとんどの赤ちゃんは「ベッドや布団に寝かせたら泣いてしまう」もの。(以前のブログ記事より.http://sara-lovebaby.cocolog-nifty.com/blog/2010/06/post-4e6c.html)
また、「母乳がポタポタとしたたらない」という症状。実は産後はポタポタしたたることの方が圧倒的に少ないのですよ。ごく稀に、ポタポタしたたるケースもある、程度なのが実情。
そして、「おっぱいの張りがない」のは、乳腺の開通がよい時に張りにくいこともあります。母乳をつくって溜まるから張るのであって、開通がよければ溜まらないこともあるのです。また、「張る」というのは主観的な感覚であって、客観的には張っているのに「張っていない」と感じていることもあります。
本当に「母乳不足」かどうかを正確に診断するためには、①乳房の状態、②赤ちゃんの体重増加、③赤ちゃんの吸い方、の3点を確認しないと分かりません。
この中の1点だけを見て母乳不足と判断することはできないのです。たとえば、②の「赤ちゃんの体重増加が少ない=母乳が足りない」とは限りません。母乳はよく出ているけれど、③の「赤ちゃんの吸い方」が浅い、またはゆがんでいるために上手に飲めていないだけ、ということもあります。
しかし、産婦人科で、「体重の増えが少ないから母乳が足りないんだね。ミルクを足してね」と簡単に言われてしまうことがあるのが現状です。
母乳が足りていないかも、と心配になったら、自己判断でミルク追加を増やす前に、助産師へのご相談をお勧めします。母乳不足を心配する方のうち、約70%は「母乳不足感」だと言われているのです。
八潮市近郊の方は、八潮駅前つばめクリニックでの母乳外来もご利用くださいね。(毎週月曜午後、完全予約制。ご予約は、八潮駅前つばめクリニック048‐999-7822まで)
私は「なにがなんでも母乳!」主義ではありません。でも、母乳育児ができる力を充分持っているのに、ミルク育児をしている方があまりにも多いように感じます。その方の持っている力を引き出すためのお手伝いをするのが助産師の役割。楽しい母乳育児のお手伝いができたらうれしいです。
| 固定リンク
「母乳育児」カテゴリの記事
- ツッコミどころ満載の母乳指導(2015.05.20)
- 復職後の授乳(2015.05.03)
- 「〇〇べき」だらけの母乳育児は面倒くさい(2015.04.17)
- 授乳中のくすり (2015.04.15)
- パパは母乳育児を理論で考えやすい(2015.02.08)
