第二子以降のお子さんの新生児訪問に行った時には、上のお子さんとの関わり方についてのお話をするようにしています。
赤ちゃんのお話の時には、育児経験があるためか不安の少ないママたちも、上のお子さんのお話になると、心配のあまり涙を流しながらお話ししてくださることがよくあるのです。
上のお子さんが、それまでできていたことができなくなったり、急にわがままになったり、ママを困らせる要求をするようになること・・・これを「赤ちゃんがえり」「退行現象」といいます。
特に二人目のお子さんのお誕生では、それまでママを独り占めできていたお兄ちゃんお姉ちゃんが不安になるのは当然のこと。わがままを言うのは、ママの気を引こうと必死だから。
たとえばこんなお兄ちゃんがいました。赤ちゃんが生まれてからというもの、毎日朝食準備中にキッチンに牛乳をこぼして、ブロックをばらまく・・・。何度叱っても、叱られると「ニヤッ」としている。反省してほしいママは近くにかけよって牛乳を拭きながら叱る・・・。毎日このくり返し。
実はこのお兄ちゃんは、赤ちゃんが生まれてからというもの、あの手この手でママの気を引こうとしていました。でもママはいつも赤ちゃんを抱っこしていて今までのように遊んでくれない。ある日、たまたま牛乳をこぼしたらママがとんできてくれた・・・。そして「牛乳をこぼす→ママが走ってきてくれる」と考えてしまったのです。
またこんなお姉ちゃんもいました。赤ちゃんが生まれてから、毎日「ママいや」というのが日課。幼稚園年中さんのお姉ちゃんは、「おはよう」「ママあっち行って」、「ご飯食べる?」「ママあっち行って」というように。ママは離婚したばかりで、「正直なところ、上の子がかわいくない」と思うほどに。
このお姉ちゃんも必死でした。離婚してパパがいなくなった上、ママはいつも赤ちゃんにおっぱいをあげている。「ママあっち行って」というのは、「ママ、私を一人ぼっちにしないで」という言葉の裏返し。
このようなケースや、「赤ちゃんがえり」をしているお兄ちゃんお姉ちゃんには、まず「魔法の言葉作戦」をお勧めしています。
これは、「名前を呼ぶときにすべてに枕詞をつける」作戦。たとえば、「かわいい○○ちゃん」「大切な○○ちゃん」「宝物の○○ちゃん」・・・というように。一日に何十回も「好き」「愛している」という言葉のシャワーを浴びせ続ける作戦。
赤ちゃんが生まれて今までのように抱っこできなくても、言葉はかけられるはず。「おりこうお兄ちゃん(お姉ちゃん)」と話しかけ続けるのもお勧め。
お兄ちゃんやお姉ちゃんが、それまでできていたことができなくなったり、急にわがままになったり、ママを困らせる要求をするようになる・・・ということは、大好きなママを自分に向かせたい必死なメッセージ。「自分は愛されている」と安心すればわがままを言わなくなることが多いものです。
三人目以降になると「ママは自分だけのママじゃない」ともともと理解しているので、激しい赤ちゃんがえりは起こりにくくなりますよ。
このブログを書きながら、「こんなにママを愛してくれるなんて、子供ってホントにかわいいよな~」と改めて思っています。
私が、上のお子さんとの関わりについてのお話をするようになったのは、実は自身の経験で長女への反省が始まりです。次女が生まれたときは夫が海外赴任中で、私は産後の肥立ちが悪く寝込んでいました。当時3歳の長女は私を守ろうと必死にお手伝いをしてくれましたが、ストレスのあまり円形脱毛症に・・・。もっと配慮してあげればよかった、という後悔が、上のお子さんの気持ちを考えて関わリたいと思うようになったきっかけです。
でもどれだけ配慮をしても、上のお子さんが赤ちゃんの生まれた生活に適応するには、最低でも3~4ヶ月はかかるようです。あせらずに「大好きだよ~」のメッセージシャワーを送り続けてあげてくださいね。
さきほどのお兄ちゃんお姉ちゃんは、「魔法の言葉」をかけるようになってから、牛乳をこぼしたり、「ママ嫌い」と言わなくなったそうです。私もお会いしましたが、本当にお行儀のいい素敵なお兄ちゃんお姉ちゃんでした。ママの気を引こうと必死だったんですね。